980、心の誰にも負けない努力
師匠が人生でもっとも大事にしてきたことの一つである「誰にも負けない努力」は、身体と頭(脳)と心の3つをつかいます。
身体と頭はわかりやすいですが、心はわかりにくいですよね。だから心の誰にも負けない努力は難しいのです。
身体と頭は、よく考えながら年間4500時間以上頑張れば誰にも負けない努力になるのですが、心は時間ではなく心をつかうのでよくわからないのです。
例えば、師匠は「自己犠牲」とよくおっしゃいましたが、これも心をつかうということですね。
自分を犠牲にして、他人のことをやる。
自分は後回し、または無しにして、他人に与える。
人間は誰でも利己心がありますから、まずは自分のことを考えてしまいます。
そうではなく、他人のことを考える、思いやるのです。
これが心をつかうということです。
私は32歳でTKCという日本最大の民間会計人組織に入れていただき、「自利利他」という人生の哲理を教わりました。
これは「人に奉仕し(利他)、それが自分の喜びである(自利)」という臨済宗の教えなのですが、私は利己心が強かったので、自分や家族を犠牲にしてまで社員やお客様を優先することは、とても苦しく辛いものでした。
さらに38歳で師匠に出会うと、師匠の教えも「自利利他」でした。あきらめて利他をやることにしました。
これが大正解でした。
この心の誰にも負けない努力をやっていると、身体と頭の誰にも負けない努力が苦痛でなくなってきました。